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Z1000R2 K.R様 スイングアーム分解点検

点検作業の続きです。
ステムのガタの原因を調べようとしたら直ぐにわかりました。
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トップのナットが手で緩みます。適正に締めてステムのガタは解決。イメージ 2

懸案のスイングアームピボットのガタを点検します。
チェーンを切断してスイングアームを取り外します。
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リヤのパッドもそろそろ摩耗限界。新品交換しておきます。イメージ 4


スイングアームピボットのテーパーローラーベアリングを点検します。
ハウジングのガタも無し、ベアリングも特に異常無し。グリスもほとんど無し。
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中空ステンレス製のピボットシャフトは大きく曲がっています。
チェーンの張り過ぎは強大な力が掛かる証拠です。
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ピボット部のフレーム内側はガタついて前後に動いたせいで擦れた痕があります。イメージ 30

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ピボット周りは特に損傷していないので、再度組み付けてみます。
テーパーローラーベアリングへのグリス注入は、
手のひらの上に取ったグリスをたっぷりと押し込みます。
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スイングアーム側のピボット幅は約235ミリあります。
フレーム側よりかなり狭い値です。
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そのまま仮組してみます。
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フレームとはかなり幅が違います。シックネスゲージで測ると約1.7ミリ。
知らないで組むとフレームを変形させることにもなります。
締め付けトルクが出るのは、フレームが変形する時の反力のせい。
これではピボットの剛性確保は望めません。
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隙間を埋めるためワッシャーを挿入します。イメージ 10

規定トルクの10kg・mまで徐々に上げ、動かしながら様子をみます。
スイングアームは輪ゴムで吊れるほど動きが渋い状態です。イメージ 11
この後、OVERさんに問い合わせたところ、
動きが渋くならない程度に加減して締めるよう指示がありました。
規定トルクに満たなくても、セルフロックナットであれば問題ないとの回答。

6キロから渋くなりますが、余りにも弱いので8キロで妥協。
今後の使用中も常にガタと緩みには注意が必要です。

これが、純正でニードルベアリングタイプの車両に、
テーパーローラーベアリング式を用いるという間違った設計の現状です。

さて、仮組用のリヤショックを付けていますが、
このままではブッシュのインナーカラーを締め付けできません。
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内径がピッタリのワッシャーを製作しスペーサーとします。
リヤショックの種類によってはカラーが薄いものもあるので、
径が一致していることが重要です。
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段付きよりブッシュのインナーカラーが出ていればOKです。イメージ 14

リヤタイヤを新品交換します。サイズは160/60から150/70へ変更。
S1をイメージするなら、ハイトの高い150/70タイヤがお勧めです。
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ホイールアライメントを計測します。
チェーンラインは約5ミリオフセットのもよう。ホイールセンターはOKです。イメージ 16

リヤスプロケの内側が摩耗していたのは、
ピボットのガタでスイングアームが斜めになっていたためでしょう。イメージ 33

リヤブレーキの油圧スイッチは故障していたので新品交換します。
エア抜きはキャリパーを外してブリーダーを上に向けて行います。
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ブリーダーのキャップも、傷んでいたので新品交換します。イメージ 18

フロントスプロケ周りも点検します。
インパクトでも外れないのでナットを切断して外します。
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オイル汚れはシールからのリークではないようですが、
オイルシールが出っ張り過ぎています。
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J系の正しくは、カバー裏側の面まで挿入すること。
もう少し入るはずです。
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シールを少し奥に押し込んでおきます。イメージ 22

これで大丈夫です。
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ロックワッシャーとナットは新しくしておきます。イメージ 24

フロントタイヤも交換します。こちらは同サイズの110/80-18です。イメージ 25

ホイールとディスクは特に振れも無くOKです。イメージ 26

短過ぎた左側のブレーキホースは、中間クランプを無くして余裕を持たせました。
ホースの長さは、必ずフォーク伸び切りでもチェックするべし。
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純正リヤフェンダーとの比較。
現状のフラットな板ではクリアランス不足です。
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だいぶ信頼性が高くなってきました。まだ点検は続きます。イメージ 29

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