ここは、2012年~2017年までの過去ブログ専用のホームページです。『最新のブログ』はこちら

Z1000Mk2 S.Y様 クラッチのジャダー

しばらくぶりに乗ったら、キャブとクラッチが不調とのこと、
その修理とワークスバックステップなどのカスタムのご依頼です。
イメージ 1

エンジンは10年ほど前にオーバーホールしてあるとのこと。
点火系をウオタニに変更してみても、改善していないとのことです。
イメージ 2

先ずは試運転してみます。前後とも空気圧が低いので調整します。イメージ 3

キャブセッティングを確認するため、
スロットルグリップにマーキングしておきます。
メインジェットは全開のこの位置で判定します。
イメージ 4

ウオタニのセッティングも確認しておきます。イメージ 5

エンジン始動し、ガレージを出発します。
暖気しても一向にエンジン不調なので、止まって点検します。
イメージ 6

エアスクリューの位置を確認します。
現状3/4戻しで排ガスも黒煙が出るので、
標準の1と1/2にリセットしてチェックし直します。
イメージ 7

プラグのカブリも取れたようで、
エアスクリューは1と1/2戻しで最適に近いようです。
イメージ 8

ただし、スロットル1/4付近はほとんど加速できないほど、
セッティングがずれているようです。
とりあえず走行はできるので、クラッチのジャダーを確認します。
実際はジャダーではなく、
半クラ時に突然ゴゴゴという音がしてクラッチが一気につながるという現象でした。
1速と2速で極稀に発生することがわかりました。
イメージ 9

ガレージに戻り、クラッチを分解点検します。
既にクラッチプレート類は新品交換済とのこと。
他にもハウジングのガタなど、特に異常はみられません。
イメージ 10

ハブの段付き摩耗も、特別酷いレベルではないようです。イメージ 11
イメージ 12

原因は他にありそうなので、レリーズ側も点検します。イメージ 13

PMC製のイージークラッチキットが付いています。
レリーズレバーの出代が異常に多い感じです。
イメージ 14

リターンスプリングが欠品しているので追加します。イメージ 15


フロントスプロケの下辺りは、オイルでかなり濡れています。
オイルシールからの漏れでしょうか。
イメージ 16

チェーンとリヤサスのスプリングも干渉しているようです。イメージ 17

バネをくるっと回転させてみると、やはりかなり削れた痕があります。
チェーンは530の薄型タイプにするといいかもしれません。
イメージ 18

チェーンジョイントのカシメも少々頼りない感じです。イメージ 19
イメージ 20

トルクロッドも全く動かない状態です。イメージ 21

キャリパーサポートはフローティングされているはずですが、
手で揺すっても全く動きません。
スイングはせず完全に固定されている感じです。
イメージ 22

カラーは隙間も無く密着している感じです。イメージ 23

アクスルを緩めたらスイングするようになりました。
外してみると、締め付けで完全に固定される構造です。
イメージ 24

とはいえ、トルクロッドの一端はフレーム側にあるので、
スイングアームの上下動で力づくで揺動させられていたようです。
カラーに段付きは無く、回転でカジられた痕が付いています。
ここも要修理。
イメージ 25

本題に戻り、クラッチの点検です。
レリーズレバーを外し、内部の構造を点検します。
ベアリングレースの切り欠きの相手側、ハウジングの突起部分にめくれがあります。
イメージ 26

分解前はレリーズの調整は正しくなく、遊びが全く無い状態でした。
クラッチケーブル中間のアジャスターの調整位置も不自然な長さでした。
レースがこの突起に乗り上げていたのかもしれません。
イメージ 30

クラッチを正しく調整します。
ケーブル中間を緩め、レバー側のアジャスターをこの状態にします。
ロックナットとアジャスターの隙間は2~3ミリです。
アジャスターのワイヤー通しの切り欠きは、
走行中の雨水などが入り難いよう必ず下向きにセットします。
ロックナットの切り欠きの向きはどこでも構いません。
イメージ 27

続いて、レリーズレバーの遊び調整です。
このPMC製イージークラッチはJ系と同じ構造のため、
調整ネジの回転方向はMk2純正とは逆になるので要注意です。
J系のマニュアルを参照のこと。
イメージ 28

遊びを規定値に調整すると、中間アジャスターの出代も標準的長さになりました。
これでクラッチが治ってくれればいいのですが。
イメージ 29

タイトルとURLをコピーしました